CHAPTER:5 悪魔の創作



奈良美也子の暴力一辺倒の責め方をじっと観察していた縄文弥生は、体育会系のいかつい美也子とは対照的にどちらかと言えば
目立たない地味なカラーの女子で、聖サバト学園手芸部の部長を勤めていた。
           
1時間にわたる激しい殴打責めで気を失っていた私は、突然鋭い痛みを内腿に感じて目を覚ました。
「美架先生、悪いわね。せっかく気持ちよくお休みのところを起こしちゃったりして。でも、今から私の“創作”にお付き合いしてもらわな
きゃならないの。」弥生は丁寧だが冷たい口調でそう言うと、手にした一本のまち針を私の目の前に見せた。 
                          
これか、今の痛みの元は・・・
「縄文さん、あなたみたいな子が、こんな非道な連中の仲間だなんて・・・」 私は弥生の大人しげな顔を見ながら信じられなかった。
「非道と言われるのはちょっと心外だわ、先生。理想を追求する仲間って呼んでほしいわね。」
普段の授業中の様子からは想像できないほど饒舌に語る弥生の手は、休むことなく着々と何かの準備を進めていた。
              
私はこれから自分の身に起こるであろうことを推測しながら、今自分が置かれた状況を把握しようと努めた。
先ほどの天井から鎖で大の字に吊るされた状態から、いつの間にか細長いテーブルの上に仰向けで手足を伸ばした格好での拘束に
変わっている。そっと手足を動かしてみたもののビクとも動かない。見ると手首足首は頑丈な革のベルトでテーブルに固定されていた。
衣服は?美也子の猛打でところどころ切り裂かれてはいたが、まだ身に着けていることを知って私は少し安心した。
しかし、生徒とは言え、今は明らかに敵対関係にある人間の前で無防備な肢体を晒すことは、それだけで恐怖感は十分だった。
  

弥生が私の上に覆いかぶさるように近寄る。そしてそっと手を伸ばしてシャツの前を大きく開くと、ブラジャーを丁寧にはずし私の
乳房を大事なものを扱うかのように慎重に剥き出しにした。 殴打によって痣だらけになった私の素肌が剥き出しになる。
「美也子ったら、けっこう派手にやったのね。あの子、知恵がない分、力だけはあるから。 それにしても、先生のおっぱい、いつも
授業中うっとりしながら見ていたけど、こうして生で見ると本当にかっこいいわね。仰向けになっているというのに、しっかり地球の重力
に逆らって隆起してるんだもん。羨ましいわ。」
 
弥生は正直言って貧乳だった。 彼女の今の発言には羨望と妬みの両方が入り混じっているのは明白で、おのずと責めの対象が
どこであるかわかってしまった私は背筋に冷たいものが走るのを感じた。
「先生。私って創作活動に没頭すると何も耳に入らなくなっちゃうみたい。だからもし白状する気になったら、はっきり大声で言ってね。
どうせ、今尋ねても、話す気はないんでしょ?」
弥生は勝手にそう決めつけると黒い糸を通した異様に長い縫い針を右手に持ち、もう一方の手でそっと私の左の乳房を抑えた。
「この針ご存知?ぬいぐるみ針といってテディ・ベアなんかを作る時に手足や目玉を縫いつけるのに使う専用の針なの。
先生のその大きなおっぱいには、普通の針じゃ無理だからね。まぁ、見てて下さいな、この素敵な針のお仕事を。」
私は、弥生が冷酷な表情でテディ・ベアの頭部に針を突き刺しボタンの目玉を縫い付けている無気味なシーンを思い浮かべた。
               
次の瞬間、
プスッと小さな音を立てて針は私の乳房の脇から内部にゆっくり刺し込まれていった。
う、うぅぅぅぅぅ・・・・・ 私は局部的な鋭利な痛みに思わず呻き声を上げ、目を硬くつぶった。
  
針の先は私の肉の中を抉りながら
ギリギリと進むとやがて裏側の皮膚を突き破って頭を表した。
しかし、本当の痛みはその後に来た。
弥生が貫通した針の先を摘み、
スゥーーーーッと抜き取るとそれに続けて糸が私の内部をズズズズ・・・と引っ張られていく。
あっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・ ゆっくりと引かれる糸が予想以上の激痛を私の敏感な胸に与えたのだ。
 
「あら、先生。どうもその様子じゃ、思った以上に痛かったみたいね。それもそのはずよ、この糸は我が手芸部で考案した拷問専用の
糸だもの。でも、最初の一縫いだけでそれじゃ、この先が大変ね。」 弥生はそう言って、糸を私の目のそばに近づけた。
よく目を凝らしてみると、糸の表面は小さな無数の刺に覆われているではないか。
     
「おわかりみたいね。でも、それだけじゃないの。この糸には神経を極度に過敏にする薬品を滲み込ませてあるの。だから刺が肉を
抉る痛みの後もちゃんとそれ以上の痛みが残るようになってるわ。本当はこれでパテントを取得したいけど、用途が用途だけにダメね。
でも、特殊工作員は大抵の場合拷問に耐える訓練を積んでるって授業で習ったわ。先生もそうなんでしょ?特に殴打系の責めには
高い耐性を備えているから、美也子みたいな暴力一方の責めで口を割らせるのは無理ってね。あの子全然学習成果を発揮してないわ。
だからあなたにはこうしたピンポイントの拷問の方が効果があると思んだけど。どう、先生?」
弥生は得意になって特殊糸の説明をしたが、波状的にじんじんと増幅してくる痛みに私はそれをじっくり聞くゆとりもなく、テーブルの
上で体を不自然な形によじりながら呻き続けた。 
うぅぅぅぅ、く、くぅぅぅ・・・・・・
 
「さあ、創作活動を始めるわよ。」 弥生は苦しみ悶える私をしばらく見つめた後、そう言って器用な手つきで作業を開始した。
縫い針が新たな箇所に刺し込まれる。肉の中を通って別の箇所に頭を出す。針を引き上げると糸が肉の中を通過していく。
そんな行為が手際よく左の乳房だけに集中して延々と続けられた。
 
左の乳房はみるみる焼けつくような強烈な痛みの塊と化していく。
あぅ、ぐくっ・・・ 私は堪えきれないほどの胸の痛みを分散させようと、下唇を思いっきり噛み切った。顎を伝って血が一筋流れ落ちる。
  

ひととおりの作業が終わったのか、左乳房を抑えていた弥生の片手が離れた。
「先生、ご感想はどう?うふふふ・・・なかなか効くでしょ?これ。 左だけじゃバランス悪いから続いて右もやるけど、その前に何か言い
たいことはない?」
う、うぅぅぅぅぅ・・くっ、 な、何も・・・ないわっ! うぅぅぅ・・・・
たぶん予想通りの回答だったのだろう。弥生はなんのためらいもなく、すぐさま同じ糸の延長で今度は右の乳房に対して作業を開始した。
あぁっ!!うぐっ!  これだけ巧みな裁縫の技術をもっと別のものに生かしたら、きっと世の中から賞賛を浴びるに違いない。だが、
今の弥生はそんな発想は微塵も持ち合わせていなかった。
その後、右胸にも同様の作業が施されたが、弥生の手は休むことなくプログラムされた機械のような正確さで動き続ける。
次は“縫合”だった。 弥生の糸を引き上げる力がこれまでより強くなり、それにつれて私は左右の乳房が胸の中央に向かって強引に
引き寄せられる感覚を覚えた。 
あぐぐぐぐぐぐぐ・・・・・ 再び鋭い激痛が走る。
           
創作に没頭したら聞く耳を持たないという弥生の言葉どおり、彼女はまるで審査中であることも忘れているかのように私の胸への作業
に集中していた。 私が途中いくらテーブル上で痛みにもがき苦しもうが、そんなの一切お構いなしという感じだ。
     
やがて弥生はふと頭を持ち上げると、「さあ、先生、仕上げに入るわ。」と言って、今度は赤い糸を通した別の縫い針を取り上げた。
「これをどこに刺すと思う?」 かすかに笑みを浮かべながら弥生は私の乳首を指先でコリコリと揉みながら尋ねた。
緻密に縫い込まれた糸によって鋭い痛みに両乳房は覆い尽くされていたにもかかわらず、不本意にも乳首は弥生の淫靡な誘いに
乗って硬くツンと突っ立つ。
あぁっ・・・・
 
「もうおわかりね。かなり感度が高まってるようだから、相当痛いかもしれなくてよ。」 そう言うや、針先が私の右の乳首に
プスッと刺し
こまれ、中を貫き、一気に糸ごと引き上げられた。
うわっ!!う、うぅぅぅぅぅ・・・・ 私は尋常でない痛みに全身を硬直させた。
間髪を入れず、針先が今度は左の乳首を貫く。 
うぐっ!!あぁぁぁぁ・・・・
そして乳房の時と同様に、針の痛み、糸引きの痛み、過敏薬による増幅が乳首を襲う。
 
弥生は左右の乳首を交互に刺しては貫き、刺しては貫き、それを何度も繰り返した。
「さあ先生、できたわ。これ見てちょうだい。」 弥生は子供のように目を輝かせながら、私の前に大きな鏡を持ち出してきた。
その鏡を通して自分の胸を見た私は、あまりの驚きに言葉を失ってしまった。
なんと、私の胸の上に見事な蜘蛛の巣と蝶の刺繍が施されているではないか! 蜘蛛の巣はマッドの罠で、巣に掛かった蝶は私
という意味か? そして、その黒い刺繍のいたるところから真っ赤な血が流れ出ているのが作品全体に無気味さを与えていた。
 
「・・・・す、素敵な刺繍ね。他の授業だったら評価10をつけてるとこだけど、今は無理だわ。」私は弱気を見せまいと激しい痛みを堪えな
がら気丈に言ってみせた。
「先生に喜んでいただけて嬉しいですわ。でも、一瞬の輝きこそ芸術の価値を高めると思うの。残念だけど、この刺繍は見納めよ。」
私は弥生の言わんとしていることが理解できなかった。
弥生は刺繍糸の端を摑むと、「今から一気に抜糸するわ。その時の痛みがどんなに凄まじいかは先生にも想像できるでしょ?
もし自白してくれるなら、ちゃんと麻酔を使ってあげるけど、どうかしら?」
これまで“作品製作”に夢中になっていた弥生が冷静さを取り戻し卑劣な取り引きを持ち出してきたところを見ると、どうやら制限時間
が迫っているようだ。 
そのことが私の心の支えにもなり、「今さら麻酔なんかいらないわ!」と私は答え、弥生の目をキッと睨みつけ覚悟を決めた。
               
「フッ」と軽く溜息をつくと、糸の端を摑んだ弥生の指が一気に糸を引き抜き始めた。
ブチブチブチブチブチ!!!刺に覆われた糸が私の両乳房の中を縦横無尽に走る。 一度貫通した肉が再び抉られていく。 
刺繍で縫い込められた蜘蛛の巣と蝶は見る見るその形を消していき、その痕に鮮血が滴り落ちる。
    
は、うぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・・・・!!!
私は目を硬くつぶり歯を喰いしばって、この残酷な行為に耐え続けた。
続く乳首の抜糸は、乳首が糸と一緒にもぎ取られるのではないかと思うほどの激痛を発し、私はテーブル上をのたうちまわった。
「さあ、さあ、言うのよ!あなたの所属と、ここで知り得た情報を!さあ、早く!!」 弥生は糸を引き抜きながら再度私に迫った。
うぁぁぁぁぁああぁぁぁーーーーーーっ!!! い、いやよ!ぜ、絶対に・・・・・・
           
その後も弥生は私の胸からすべての糸がなくなるまで手を休めることはなかった。
完全に抜糸が終わった瞬間、審査終了のホイッスルが鳴り響いた。
弥生は血に染まった黒と赤の糸を手にしたまま呆然と立ち尽くしていた。
拷問は終わったが、糸を強引に引き抜かれた胸の痛みはなおも私を責め苛み、テーブルに固定されたまま私は身をよじりながら
いつまでも呻き続けた。

  



※この物語はすべてフィクションであり、登場人物および団体は実在しないものであります。

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